カテゴリー別問題の傾向と対策~数の性質~

 

<約数1>
 A、Bを整数とするとき、[A,B]は、Aの約数の個数とBの約数の個数の和を表します。例えば、6の約数は1、2、3、6の4個、11の約数は1、11の2個なので、[6,11]=6となります。このとき、次の各問いに答えなさい。
(1)[12,30]を求めなさい。
(2)[a,4]=8となる整数aのうち、最も小さいものを求めなさい。
               (渋谷教育学園幕張中学校05年1次第1問)
 
(1)
12の約数は1、2、3,4,6,12の6つ。
 
30の約数は1,2,3,5,6,10、15、30の8つ。
 
6+8=14
 
答えは、14になります。
 
 
(2)
4の約数は1,2,4の3つ。
 
したがって、aの約数は5つとなります。
 
約数が5つとなる最小の数を出せばいいのです。
 
約数が奇数個となるのは平方数(同じ数をかけあわせた数)です。
 
9の約数は、1,3,9の3つ。
 
16の約数は、1,2,4,8,16で5つです。
 
答えは、16です。
 
 
 

<約数2 
(1)222の約数を全部書くと、[              ]です。
(2)花子さんは、1個37円の商品Aと1個80円の商品Bと1個62円の商品Cを何個かずつ買いました。値段の合計は22200円で、商品Bの個数と商品Cの個数の比は3:4でした。
花子さんは、商品Aを[  ]個、商品Bを[  ]個、商品Cを[  ]個買いました。
               (女子学院中学校04年第5問)
 
(1)
222=2×3×37
 
答えは、1,2,3、6、37、74、111,222です。
 
 
(2)
商品Bと商品Cを1パックで考えます。
 
80×3+62×4=488
 
37×○+488×□=22200
 
(1)の問題を利用しましょう。
 
22200は37の倍数ですから、
 
37×○が37の倍数なので、488×□も37の倍数になります。
 
488は37の倍数ではないので、□は37の倍数のはずです。
 
よって、□=37
○=112
 
37×3=111
37×4=148
 
答えは、商品Aを112個、商品Bを111個、商品Cを148個となります。
 
 
 
 
 
<倍数1>
 1×2×3、2×3×4、3×4×5、・・・、98×99×100のように連続する3つの整数の積を98種類考えます。
 このとき、次の各問いに答えなさい。
(1)98種類のうち、100の倍数はいくつありますか。
(2)98種類のうち、4の倍数はいくつありますか。
(3)98種類のすべてが、6の倍数になることを説明しなさい。
               (渋谷教育学園幕張中学校04年1次第3問)
 
(1)
まず100の倍数になる条件を整理しましょう。
 
100を分解すると、
 
100=2×2×5×5
 
連続した3つの数字に5の倍数は2つ以上はないので、25の倍数のみを考えればいいわけです。
 
つまり、25×2×2をふくんでいればいいのです。
 
23×24×25の場合、24が4の倍数なので○
24×25×26の場合も○
25×26×27の場合は、26も27も4で割り切れないので×
 
同様に続けます。
 
48×49×50の場合、48が2の倍数なので○
49×50×51の場合は、49も51も2で割り切れないので×
50×51×52の場合、52が2の倍数なので○
 
75の場合は、75×4をふくんでいればいいので、
 
73×74×75の場合、73も74も4で割り切れないので×
74×75×76の場合は、76が4の倍数なので○
75×76×77の場合も、76が4の倍数なので○
 
98×99×100の場合は、100が入っているのでもちろん○
 
したがって、
 
2+2+2+1=7
 
答えは、7個です。
 
 
(2)
4の倍数の条件は簡単です。
 
4=2×2
 
ですから、偶数が2つあれば4の倍数です。
 
そして、偶数が1つの場合、それが4の倍数なら条件を満たします。
 
偶数が2つになるのは98種類中49組ですね。
 
偶数が1つの場合も49組あり、以下のようになります。
 
1××3、3××5、5××7、・・・・・・、97×98×99
 
そのうち4の倍数は、24組あります。
 
したがって、
 
49+24=73
 
答えは、73個です。
 
 
(3)
6を分解すると、
 
6=2×3
 
連続する3つの数には、必ず3の倍数が含まれますし、もちろん偶数もふくまれます。
 
したがって、必ず6の倍数となります。
 
 
 
 
 
<倍数2>
 1や1000は3で割ると1余る整数です。1から1000までの整数の中から、3で割ると1余る整数について次の問いに答えなさい。
(1)2の倍数、5の倍数はそれぞれいくつありますか。
(2)2の倍数でも5の倍数でもない整数はいくつありますか。
               (麻布中学校02年第2問)
 
(1)
2の倍数の場合、4、10、16、22・・・・・・
 
したがって、
 
(1000+2)÷6=167
 
2の倍数は、167個になります。
 
5の倍数の場合、10、25、40・・・・・・
 
したがって、
 
(1000+5)÷15=67
 
5の倍数は、67個になります。
 
 
(2)
下のベン図を見てください。
 
問題1-1ベン図
 
 
(1)の答えが、AとBにあたるわけですね。
 
Cには2と5の公倍数である10の約数が入りますから、
 
10、40、70・・・・・・
 
よって、
(1000+20)÷30=34
 
10の倍数は34個になり、
 
1から1000までの整数の中から、3で割ると1余る整数は、
 
1、3、7、10・・・・・・
 
よって、
 
(1000+2)÷3=334
 
だから、
334-(167+67-34)=134
 
答えは、134個になります。
 
 
 

 
<倍数3>
 Nを整数とします。1からNまでの整数のうち、3の倍数の個数をA、4の倍数の個数をB、3の倍数でも4の倍数でもない数の個数をCとします。
(1)Nが50のとき、A、B、Cをそれぞれ求めなさい。
(2)Cが12となるようなNをすべて求めなさい。
(3)Nを1から250までの整数とします。NがCの2倍となるようなNは何個ありますか。
(4)AとBの差が15となるようなNは何個ありますか。また、これらの数のうち、最も小さい数と最も大きい数をそれぞれ求めなさい。
               (桐朋中学校07年第7問)
 
 
(1)
50÷3=16・・・2
 
50÷4=12・・・2
 
50÷12=4・・・2 (12は3と4の最小公倍数です)
 
3の倍数と4の倍数を引き、二重に引いた個数を足せばいいので、
 
50-16-12+4=26
 
答えは、A=16、B=12、C=26となります。
 
 
(2)
2と3の最小公倍数である12をNとすると、
 
12-4-3+1=6
 
そうすると、N=24がまず確定します。
 
25になると、
 
25-8-6+2=13(×)
 
23になると、
 
23-7-5+1=12(○)
 
22なら、
 
22-7-5+1=11(×)
 
答えは、23と24になります。
 
 
(3)
NがCの2倍となるような数なので、Nは偶数のはずです。
 
Nが2の場合、Cは2(×)
Nが4の場合、Cは2(○)
Nが6の場合、Cは3(○)
Nが8の場合、Cは4(○)
Nが10の場合、Cは5(○)
Nが12の場合、Cは6(○)
 
よって、12ごとに5つあることが分かります。
 
250÷12=20・・・10
 
20×5+4=104
 
答えは、104個です。
 
 
(4)
Nが12の場合、Aは4でBが3となり、差は1ですね。
 
Nが180の場合、Aは60でBは45となり、差は15(○)
Nが181の場合、Aは60でBは45となり、差は15(○)
Nが182の場合、Aは60でBは45となり、差は15(○)
Nが183の場合、Aは61でBは45となり、差は16(×)
Nが184の場合、Aは61でBは46となり、差は15(○)
Nが185の場合、Aは61でBは46となり、差は15(○)
Nが186の場合、Aは62でBは46となり、差は16(×)
Nが187の場合、Aは62でBは46となり、差は16(×)
Nが188の場合、Aは62でBは47となり、差は15(○)
Nが189の場合、Aは63でBは47となり、差は16(×)
Nが190の場合、Aは63でBは47となり、差は16(×)
Nが191の場合、Aは63でBは47となり、差は16(×)
Nが192の場合、Aは64でBは48となり、差は16(×)
・・・・・・
 
もっと大きい数は188です。
 
同様に、
 
Nが179の場合、Aは59でBは44となり、差は15(○)
Nが178の場合、Aは59でBは44となり、差は15(○)
Nが177の場合、Aは59でBは44となり、差は15(○)
Nが176の場合、Aは58でBは44となり、差は14(×)
Nが175の場合、Aは58でBは43となり、差は15(○)
Nが174の場合、Aは58でBは43となり、差は15(○)
Nが173の場合、Aは57でBは43となり、差は14(×)
Nが172の場合、Aは57でBは43となり、差は14(×)
Nが171の場合、Aは57でBは42となり、差は15(○)
Nが170の場合、Aは56でBは42となり、差は14(×)
 
最も小さい数は171です。
 
AとBの差が15となるようなNは12個あります。
 
 
 
 
 
<数の性質1> 
 次の①~④が成り立つような5つの数の組をすべて求めなさい。
 ①5つの数はすべて異なる整数です。
 ②5つの数の平均は60です。
 ③大きい方の2つの数の和は、小さい方の3つの数の和に等しい。
 ④最大の数は、最小の数の5倍です。
 答えは、左から大きい順に書きなさい。また、答えのらんは全部使うとは限りません。
 (答えのらんは4つ分ありました。)
               (麻布中学校02年第5問)
 
 
大きい方から、A・B・C・D・Eと呼びましょう。
 
A+B+C+D+E=300
A+B=C+D+E
A=E×5
 
そこから、
 
A+B=C+D+E=150
 
Aが5の倍数なので、Aは80、85、90、95のどれかとなります。
(Cが51以上なので、Bは52以上になるはずであり、Aは100にはなりません。)
 
Eは、16、17、18、19のどれかになります。
 
そうすると、
 
(150-19)÷2=65.5
 
Cは66以上になるので、Bは67以上となり、Aが80とわかります。
 
そこから、Bは70、Eは16と決まります。
 
答えは、80、70,68、66、16、
もしくは、80、70、69、65、16、となります。
 
 
 

 

 

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