カテゴリー別問題の傾向と対策~立体図形~
<立体図形1>
図のようなたて5cm、横8cm、高さ6cmの直方体があり、図で見えている3つの面は赤、見えていない3つの面は青にぬられています。この直方体を図の点線にそって、1辺が1cmの立方体に切り分けました。次の問に答えなさい。(計算も書きなさい)
(1)どの面にも色がぬられていない立方体は、全部でいくつありますか。
(2)青がぬられていて、赤がぬられていない立方体は、全部でいくつありますか。
(3)赤と青の両方がぬられている立方体は、全部でいくつありますか。また、これらの立方体のうち、色がぬられていない面の面積の合計は何cm2ですか。
(武蔵中学校06年第1問)
(1)
表面に現れない部分ですから、各辺から2cmずつ引けばいいわけです。
3×6×4=72
答えは、72個です。
(2)
青と赤を置きかえても同じなので、下の図の色のついている箇所が答えです。
したがって、
5×7+3×7+3×4=68
答えは、68個です。
(3)
両方ぬられているのは、上の図の白い部分ですね。
(7+5+4)×2=32
答えは、32個です。
これらの立方体のうち、色がぬられていない面の面積の合計は、
26個が2つの面に色をぬられ、6個が3つの面に色をぬられているから、
26×4+6×3=122
答えは、122cm2となります。
<立体図形2>
右下の図のような、AB=20cm、AD=13cmの直方体があります。3点P、Q、Rはそれぞれ辺CD、FG、AE上の点です。この直方体を面ABCDに垂直な方向(ア)から見ると、三角形PQRは角Pが直角の直角二等辺三角形に見えました。また、この直方体を面DCGHに垂直な方向(イ)から見ると、三角形PQRは角Rが直角の直角二等辺三角形に見えました。
(1)DPの長さは何cmですか。
(2)DHの長さは何cmですか。
(開成中学校03年第1問)
(1)
下の図のようになりますね。
三角形EHPと三角形PGQは合同なので、
答えは、7cmです。
(2)
下の図のようになります。
三角形APRと三角形ERFは合同なので、
ARが20cmで、REが7cmなので、
答えは、27cmになります。
<立体図形3>
下の図のような直方体があります。Iは辺FG上にある点で、AB=1cm、AD=6cm、AE=2cm、GI=1.5cmとなっています。3つの点A、H、Iを通る平面が、辺BFと交わる点をJ、辺EFを延長した線と交わる点をKとします。
(1)FJ、FKの長さを求めなさい。
(2)(ア)4つの点A、E、H、Kを結んでできる三角すいの展開図をできるだけ正確にかきなさい。ただし、三角形AEHはすでにかかれているので、それに続けて解答用紙の定められたわくからはみ出さないようにかくこと。
(イ)4つの点A、H、I、Jを結んでできる四角形の面積を求めなさい。
なお、(2)(ア)の解答用紙は次のようになっていました。
(開成中学校07年第4問)
(1)
下の図を見てください。
三角形KEHと三角形KFIが相似であり、EHが6cmで、FIが4.5cmなので、
KE:KF=4:3
EFが1cmなので、
FKは、3cmです。
三角形KEAと三角形KFJも相似で、相似比は4:3なので、
2×3/4=1.5cm
FJは、1.5cmです。
(2)
(ア)
次のようになります。
EからKに直角に4cm伸びていることが分かればできるでしょう。
(イ)
三角形KJI:三角形KAH=9:16
四角形AHIJの面積=三角形KAHの面積×(16-9)/16
三角形KAHの面積は、(ア)の展開図を利用して、1辺6cmの正方形の面積から3つの直角三角形の面積なので、
6×6-(2×4+4×6+2×6)÷2=14cm2
そして、
14×7/16=6・1/8
答えは、6・1/8cm2です。
<立体図形4>
下の図のように、水平な地面に直方体のコンクリートブロックと地点Aから垂直に立つ街灯(がいとう)があります。街灯(がいとう)に明かりがついたときに、地表上にできる影の部分(コンクリートブロックの置いてある地面をのぞく)を真上から見た様子を、解答欄(らん)に斜線(しゃせん)を付けて示し、その面積を求めなさい。ただし下の図の数字の単位はすべてmとします。
(開成中学校08年第2問)
下の図を見てください。
黄色の部分を求めるわけです。
色をつけた部分の台形の面積-(薄紫色と灰色の部分の台形の面積)
9.6×1.5=14.4(台形の上底)
14.4-3×1.5=9.9(台形の下底)
3×4÷2=6(薄紫色の面積)
6.6×4=26.4(灰色の面積)
(14.4+9.9)×6÷2-(6+26.4)
=72.9-32.4
=40.5
答えは、40.5m2となります。
<立体図形5>
たて3cm、横4cm、高さ5cmの直方体があります。この直方体の面のうち、2辺の長さが
3cmと4cmの長方形の面を面A、
4cmと5cmの長方形の面を面B、
5cmと3cmの長方形の面を面C、
とします。次の問いに答えなさい。
(1)この直方体を面A、面B、面Cに平行な面で、それぞれ1回、1回、2回切って、小さな直方体をつくります。
①小さな直方体は何個できますか。
②これらの小さな直方体の表面積の合計を求めなさい。ただし、直方体の表面積とは、その直方体のすべての面の面積の和のことです。
(2)この直方体を面A、面B、面Cに平行な面でそれぞれ[ ア ]回、[ イ ]回、[ ウ ]回切ったところ、小さな直方体が90個でき、これらの直方体の表面積の合計は462cm2でした。
[ ア ]、[ イ ]、[ ウ ]に当てはまる数を答えなさい。
(麻布中学校08年第5問)
(1)
①
同じ方向に1回切れば2倍に、2回切れば3倍になるので、
2×2×3=12
答えは、12個になります。
②
初めの表面積が、
(3×4+4×5+5×3)×2=94cm2ですね。
面Aに平行な面で1回切ると、
3×4×2=24cm2増え、
面Bに平行な面で1回切ると、
4×5×2=40cm2増え、
面Cに平行な面で1回切ると、
5×3×2=30cm2増えるので、
94+24+40+30×2=218
答えは、218cm2です。
(2)
(1)の答えから、
(ア+1)×(イ+1)×(ウ+1)=90
94+24×ア+40×イ+30×ウ=462
したがって、
24×ア+40×イ+30×ウ=368
アは2か7のどちらかですね。
アが7の場合、
90÷8では割れないので、条件を満たしません。
アが2であることが決定し、
(イ+1)×(ウ+1)=30
40×イ+30×ウ=320
イが5でウが4であれば条件を満たします。
イが2でウが8では、ダメですね。
答えはア=2、イ=5、ウ=4、となります。
<立体図形6>
図の直方体の3つの面(あ)、(い)、(う)のうちの1つの面の中央から反対側の面まで直方体をくりぬきました。くりぬいてできた穴の形は、たて3cm、横6cmの長方形でした。直方体をくりぬいたあとの立体の体積は、もとの直方体の体積より15%減りました。次の問いに答えなさい。
(1)直方体の(あ)、(い)、(う)のどの面に穴をあけましたか。記号で答えなさい。
(2)直方体をくりぬいたあとの立体の表面積を求めなさい。
(フェリス女学院中学校96年第4問)
(1)
全体の体積の15%は、
12×10×7×15/100=126m3
そこから、
3×6×○=126
○=7
答えは、(う)です。
(2)
もとの表面積が、
(10×7+7×12+12×10)×2=548m2
548-18×2+(3×7+6×7)×2=638
答えは、638m2です。
<立体図形7>
底面の半径が3cmで、高さが10cmのふたのない円柱の容器に、水が高さ8cmまで入っています。この容器を45゜傾けると水は何cm3こぼれますか。
(フェリス女学院中学校01年第4問)
下の図を見てください。
もう簡単ですね。
3×3×3.14×(8-7)=28.26
答えは、28.26cm3です。
<立体図形8>
1辺が30cmの立方体の形をした氷が円柱形の水そうにぴったりと入っています。図は上から見たものです。
この氷がすべてとけて水になるとき、水そうにたまる水の深さは何cmですか。小数第2位を四捨五入して小数第1位まで答えましょう。水が氷になるとき、体積は1.1倍になります。円周率は3.14です。(式と計算と答え)
(雙葉中学校02年第3問)
30×30×30÷1.1=270000/11
円の半径×半径は正方形の面積の半分なので、
270000/11÷(450×3.14)
=2700000÷15543=17.37・・・・・・
答えは17.4cmです。
<立体図形9>
図のような直方体の水そうがあります。その中に4枚の長方形の板が等間隔(とうかんかく)にまっすぐ立っています。板の横の長さは35cm、縦の長さは左から順に29cm、14cm、18cm、11cmです。水そうと板の間にすき間はなく、板の厚さは考えません。この空(から)の水そうに毎分0.21ℓ の割合で水を入れると6時間48分20秒後にいっぱいになりました。
(1)水そうの深さは何cmですか。(式と計算と答え)
(2)水そうの底の○のところに穴をあけると、毎分75cm3の割合で水が流れ出ます。水が流れなくなるのは、穴をあけてから何時間何分何秒後ですか。(式と計算と答え)
(雙葉中学校08年第4問)
(1)
6×60+48・1/3×210=85750cm3
85750÷(35×50)=49
答えは、49cmです。
(2)
穴の影響を受けない容積は、
35×10×29+35×20×18+35×10×11
=35×760
=26600
よって、
(85750-26600)÷75=788・2/3
答えは、13時間8分40秒後です。
<立体図形10>
たて25cm、横32cm、深さ23cmの水そうに深さ10cmまで水が入っています。底面が1辺5cmの正方形で高さが21cmの直方体の重りを正方形の面が水そうの底に付くように1本ずつ入れます。
(1)何本目の重りを入れると、水そうに入っているすべての重りが初めて水面より下になりますか。
(2)1本目の重りを入れたとき、水面は何cm上がりますか。
(3)13本目の重りを入れたとき、水の深さは何cmになりますか。
(桜蔭中学校05年第4問)
(1)
水の体積は、
25×32×10=8000cm3
水の高さが21㎝をこえる状態を求めればいいので、
8000÷21=380.95・・・・・・
底面積が380cm2を下回るには、
800-25×○
○が17以上になればいいので、
答えは、17本です。
(2)
底面積が800cm2から775cm2になるので、
8000÷775-10=10/31
答えは、10/31cmです。
(3)
800-13×25=475
8000÷475=16・16/19
答えは、16・16/19cmです。
<立体図形11>
右の図のような展開図を組み立てて、ふたのない入れ物を作ります。ただし、四角形イオクサは正方形です。入れ物をそれぞれ(1)~(3)のように固定して、上から水をちょうどいっぱいになるまでそそぎます。このとき水が入っている部分の立体の種類を番号①~⑤から選び、その体積を求めなさい。(面の厚みは考えなくてよい。)
(1)イ、オ、ク、サを通る平面が水平になるように固定する。
(2)ア、カ、キ、シを通る面を考えたとき、その面が水平になるように固定する。
(3)ケ、サ、イ、エを通る面を考えたとき、その面が水平になるように固定する。
①直方体 ②三角柱 ③三角すい ④四角すい ⑤①~④以外の立体
(桜蔭中学校98年第4問)
(1)
下の図のようになります。
①ですね。
5×5×6=150
答えは、150cm3です。
(2)
⑤です。
満水になります。
5×5×(8.4+6)÷2=180
答えは、180cm3です。
(3)
②です。
5×6÷2×5=75
答えは、75cm3です。
<立体図形12>
1辺の長さが6cmの立方体があります。正面から見たとき図1の斜(しゃ)線の部分となるように、四角柱の形の穴を反対側の面まであけます。次にま横から見たとき図2の斜線の部分となるように、側面に垂直にもとの立体の反対側の面までくりぬき、穴をあけます。このとき、次の問いに答えなさい。
(1)できた立体の体積はもとの立方体の体積より何cm3小さいですか。
(2)できた立体の表面積を求めなさい。
(桜蔭中学校08年第4問)
(1)
下の図のようになりますね。
4×6×2-2×2=44(2×2は引きすぎた部分)
答えは、44cm3です。
(2)
下の図のようになりますね。
上下が、
6×6×2=72
側面が、
(36-4)×4=128
内側の黄色の部分が、側面4方向から見て、
10×4=40
内側を上下から見て、十字型が2つになり、
20×2=40
72+128+40+40=280
答えは、280cm2です。
<立体図形13>
1辺の長さが20cmの立方体から、底面が正方形の四角柱をくりぬいて、図のような立体(あ)を作ります。
次の□にあてはまる数を入れなさい。
(1)立体(あ)のすべての面の面積をたすと□cm2です。
(2)立体(あ)から、さらに同じように円柱を後ろまでくりぬいて、下図のような立体(い)を作ります。
円周率を3.14とすると、立体(い)の体積は□cm3、
立体(い)のすべての面の面積をたすと□cm2です。
(女子学院中学校03年第4問)
(1)
20×20×6
-10×10×2
+10×20×4
=2400-200+800
=3000
答えは、3000cm2です。
(2)
下の図のように切って考えましょう。
AとCの体積は、
(20×20-5×5×3.14)×10=3215
Bの体積は、
5×10×20×2=2000
よって、
3215+2000=5215
体積は、5215cm3です。
AとCの表面積は、
5×20×8
+(20×20-5×5×3.14)×2
+10×3.14×10
+(10×20-5×5×3.14)×2
=800+800+400+3.14×(100-100)
=2000
Bの表面積は、
10×20×4+10×5×4
=800+200
=1000
したがって、
2000+1000
答えは、3000cm2です。
<立体図形14>
図のように、たて30cm、高さ20cmの水そうの底に、たて30cmの鉄でできた直方体が2本置いてあります。グラフはこの水そうに一定の割合で水をいれたときの時間と水面の高さとの関係を表しています。
図の(あ)の長さは□cm、(い)の長さは□cm、(う)の長さは□cmです。
また、1分間に入れた水の量は□cm3です。
(女子学院中学校04年第4問)
(あ)は12cmですね。
4×い=③
8×(い+う)=⑭
8×(12+い+う)=⑳
よって、
(い):(い+う):(12+い+う)=3:7:10=12cm:28cm:40cm
(い)は12cm、(う)は16cmです。
30×(12+12+16)×20=24000(直方体の体積)
(12×12+4×16)×30=6240
(24000-6240)÷37=480
答えは、480cm3です。