カテゴリー別問題の傾向と対策~割合と比の問題~
<消去算1>
チョコレート7個とあめ15個が同じ値(ね)段です。チョコレートとあめを1個につき3円ずつ値引きしたら、チョコレート6個とあめ14個が同じ値段になりました。最初のチョコレート1個の値段を求めなさい。
(フェリス女学院中学校99年第4問)
式にしてみましょう。
チョコレート×7=あめ×15
(チョコレート-3)×6+=(あめ-3)×14
上の式を変えて、
チョコレート=あめ×15/7
下の式に当てはめると、
あめ×90/7-18=あめ×14-42
あめ×8/7=24
あめ=21
したがって、
チョコレート×7=21×15
答えは、45円です。
<消去算2>
りんごジュースとオレンジジュースがあります。それぞれの本数の比は53:54です。これらのジュースで次のようなセットを作ります。
Aセットには、りんごジュース1本とオレンジジュース2本を入れます。
Bセットには、りんごジュース2本とオレンジジュース2本を入れます。
Cセットには、りんごジュース3本とオレンジジュース2本を入れます。
はじめ、Bセットだけをできるだけたくさん作ると、5本のジュースが余りました。その5本のうち、りんごジュースは[ ア ]本、オレンジジュースは[ イ ]本でした。このことから、りんごジュースは全部で[ ウ ]本あることがわかります。
そこで、はじめからやりなおして、A、B、Cの3種類のセットをそれぞれいくつか作ると、すべてのジュースをちょうどつめ合わせることができました。このとき、Bセットの全体に入っているジュースの本数と、Cセットの全体に入っているジュースの本数は等しいです。
次の問いに答えなさい。
(1)[ ア ]、[ イ ]、[ ウ ]にあてはまる数を求めなさい。
(2)Cセットはいくつありますか。
(フェリス女学院中学校07年第5問)
(1)
Bセットだけをできるだけたくさん作るので、余った5本の内訳は、
りんごジュース0本とオレンジジュース5本
りんごジュース1本とオレンジジュース4本
上の方は、比の1が5本となり、5×53が奇数となり矛盾するので、
下の方になり、比の1が3となり、
3×53=159(1あまらないといけないので奇数でいいですね)
答えは、ア=1、イ=4 ウ=159 となります。
(2)
りんごジュースが159本、オレンジジュース162本ありますね。
どのセットもオレンジジュースは2本ずつなので、合計のセット数は81のはずです。
よって、
A+B+C=81
A+B×2+C×3=159
B:C=5:4
そこから、
(A+B×2+C×3)-(A+B+C)=159-81
B+C×2=78
さらに、B:C=5:4から、
B=C×5/4
代入して、
C×13/4=78
C=24
答えは、24セットです。
<濃度1>
A、B、C3つの容器に食塩水が200gずつ入っています。次のような操作をしました。容器A内の食塩水100gを容器Bに移し、よくかき混ぜます。次に、容器B内にできた食塩水100gを容器Cに移し、よくかき混ぜます。次に、容器C内にできた食塩水100gを容器Aに移し、よくかき混ぜます。以上の操作後の容器A内の食塩水の濃度(のうど)は5%、容器B内の食塩水の濃度(のうど)は、はじめに容器A内にあった食塩水の濃度(のうど)の2倍、容器C内の食塩水の濃度(のうど)は、はじめに容器B内にあった食塩水の濃度(のうど)の2倍でした。次の問いに答えなさい。
(1)はじめに容器B内にあった食塩水の濃度(のうど)は、はじめに容器A内にあった食塩水の濃度(のうど)の何倍ですか。
(2)はじめに容器A、B、C内にあった食塩水の濃度(のうど)はそれぞれ何%ですか。
(開成中学校02年第2問)
(1)
てんびん法をつかいましょう。
下の図を見てください。
容器B内の食塩水の濃度がはじめに容器A内にあった食塩水の濃度の2倍になったということは、
Aの濃度+②=新Bの濃度(Aの濃度の2倍)=Bの濃度-①
Aの濃度=②
新Bの濃度=④
Bの濃度=⑤
答えは、2.5倍となります。
(2)
次の図を見てください。
濃度の比を整理すると、
Aの濃度=2
Bの濃度=5
新Bの濃度=4
新Cの濃度=10
そこから、Cの濃度が比の13と分かり、
新Aの濃度は、量の比が1:1なので、
(10+2)÷2=6
比の6が5%なので、
2×5/6=5/3
5×5/6=25/6
13×5/6=65/6
答えは、5/3%、25/6%、65/6%です。
<濃度2>
3種類の食塩水A、B、Cがそれぞれ60g、120g、100gあります。
Aの濃(こ)さは3%です。このとき次のようになります。
①A20gとB30gをまぜあわせると、Cと同じ濃さの食塩水ができます。
②A、B、Cすべてまぜあわせた食塩水Dの濃さは7.5%になります。
次の問いに答えなさい。ただし、食塩水の濃さとは、食塩水の重さに対する食塩の重さの割合のことです。
(1)Dに含(ふく)まれる食塩は何gですか。
(2)Bの濃さは何%ですか。
(3)Cの濃さは何%ですか。
(麻布中学校08年第2問)
(1)
(60+120+100)×0.075=21
答えは、21gです。
(3)から解きます。
A20gとB30gをまぜあわせるとCと同じ濃さの食塩水になるので、
A80gとB120gとC100gを足しても、Cと同じ濃度の食塩水ができるわけです。
それは、食塩水D+食塩水A20gと同じであり、食塩の量に注目すると、
21+20×0.03=21.6
したがって、
21.6÷(80+120+100)×100=7.2
Cの濃さは、7.2%になります。
(2)
A40gとB60gを混ぜるとC100gになります。
Aが3%で、Cが7.2%なので、
Aの食塩が、
40×0.03=1.2g
Cの食塩が、
100×0.072=7.2g
したがって、Bの食塩は、
7.2-1.2=6g
6÷60×100=10
答えは、10%です。
<仕事算1>
窓ガラスをみがくのに、いつもは兄は8分、弟は10分かかります。
(1)窓ガラス21枚を二人でいっしょにみがくと何時間何分何秒かかりますか。
(2)窓ガラス21枚を二人でみがいたとき、途中で兄は13分、弟は19分休みました。このとき、(1)よりも何分何秒多くかかりましたか。
(3)窓ガラス9枚を交代でみがいたら、1時間23分かかりました。兄と弟はそれぞれ何分ずつみがきましたか。
(雙葉中学校04年第4問)
(1)
兄と弟の仕事の速さの比は、5:4ですね。
21×5/9=11・2/3(兄のみがく枚数
)11・2/3×8=93・1/3
答えは、1時間33分20秒です。
(2)
途中ではなく初めから休んだとしましょう。
19分たった時、兄は6分みがいています。
そうすれば、20・1/4枚を2人でみがくのと同じです。
20・1/4×5/9=11・1/4(19分たってから兄のみがく枚数)
11・1/4×8=90
90+19-93・1/3=15・2/3
答えは、15分40秒です。
(3)
兄と弟で83分ですね。
兄のみがいた時間を○、弟のみがいた時間を□とすると、
○+□=83
1/8×○+1/10×□=9
○=83-□
10×○+8×□=720
830-2×□=720
2×□=110
□=55
83-55=28
答えは、兄が28分、弟が55分です。
<売買算1>
1回のバス運賃は200円です。バス運賃5800円分利用できるバスカードが5000円で売られています。今、1割引きでバスカードを買いました。このとき、1回あたりいくらで乗ることになりますか。小数第1位を四捨五入して答えなさい。
(麻布中学校02年第1問)
1割引きで買ったので、4500円で買ったはずです。
バスに29回乗れるので、
4500÷29=155.1・・・・・・
答えは、155円です。
<売買算2>
ももとりんごを合わせて350個仕入れました。もも1個は、原価が75円で定価が原価の4割り増しです。りんご1個は、原価が80円で定価が原価の25%増しです。午前中は定価で売り、午後はもも40個とりんご60個のどれでも2個100円で売りました。ももとりんごは全部売れて、利益は3800円でした。ももとりんごをそれぞれ何個ずつ仕入れましたか。
(フェリス女学院中学校03年第3問)
午後は2個100円で売ったわけですから、
75×40+80×60=7800
仕入れ値が7800円で、5000円でしか売れていないので、午後は2800円の赤字です。
つまり、午前中に6600円の利益があったはずです。
午前中に、合わせて250個を売ったはずです。
ももは1個75円で仕入れて105円で売り、りんごは80円で仕入れて100円で売ったわけですから、ももを○とし、りんごを△とすると、
30×○+20×△=6600
○+△=250
30×250=7500
(7500-6600)÷(30-20)=90(△の個数)
160+40=200
90+60=150
答えは、ももを200個、りんごを150個となります。
<売買算3>
チューリップと水仙(すいせん)を合わせて180本仕入れ、チューリップは1本200円、水仙は1本140円の定価をつけて売り始めました。残りの花が少なくなったので、チューリップ3本と水仙1本で花束を作ったところ、ちょうど9束できました。1束690円で花束が全部売れ、利益は10638円でした。
(1)花束を作らずに、すべての花を定価で売ると、利益は何円になりますか。(式と計算と答え)
(2)(1)のように売ると、その売上金の35%が利益になります。チューリップと水仙はそれぞれ何本でしたか。
(雙葉中学校07年第3問)
(1)
(200×3+140×1)×9=6660
690×9=6210
6660-6210=450
10638+450=11088
答えは、11088円です。
(2)
11088÷0.35=31680(売上金)
つるかめ算になり、
チ+水=180
チ×200+水×140=31680
180×200=36000
(36000-31680)÷(200-140)=72
水仙が72本なので、
180-72=108
答えは、チューリップが108本、水仙が72本です。
<売買算4>
山田さんの店で、ある品物を300個仕入れ、2割5分の利益を見込んで定価をつけました。これを定価の1割6分引きで売ると1個につき34円の利益があります。
(1)この品物の仕入れ値は1個いくらですか。
(2)定価でいくつか売れた後、大売出しの日に定価の1割6分引きで売ったところ、全部売れました。300個すべての利益を合わせると26520円になりました。定価で売れたのは何個ですか。
(女子学院中学校00年第3問)
(1)
仕入れ値を○とすると、
○×1.25×0.84=1.05
34÷0.05=680
答えは、680円です。
(2)
○×680×0.25+□×680×0.05=26520
○+□=300
○×170+□×34=26520
○+□=300
○×170+□×34=26520
○×34+□×34=10200
○×136=16320
○=120
答えは、120個です。
<売買算5>
ある品物の仕入れ値に、300円の利益を見込んで定価をつけた。Aさんは定価の10%引きで15個売り、Bさんは定価の20%引きで20個売ったところ、AさんとBさんの利益の比は9:4になった。
(1)定価の10%引きで売ったときと、定価の20%引きで売ったときの1個あたりの利益の比を、最も簡単な整数の比で表すと[ ]:[ ]である。
(2)この品物の仕入れ値は[ ]円である。
(女子学院中学校10年第8問)
(1)
1個あたりの利益の比は、
9/15:4/20=3:1
答えは、3:1です。
(2)
定価の10%と20%の差が比の2なので、
比の1が定価の5%となり、
Aは利益が3で、定価の10%(比の2)引いたので、
(3+2)×5=25 %(定価に占める利益)
300÷0.75=900
答えは、900円です。
<割合1>
日本にあるJ商店では、アメリカにあるA牧場から毎月肉を一定量輸入して日本国内で売っています。J商店はA牧場に、肉の値段(肉の対価)と輸送費の合計(以下、この合計のことを「仕入れ費」ということにします。)を毎月支払(はら)っています。この支払いはすべてアメリカの通貨単位であるドルで行うので、日本円を用意しているJ商店の利益はドルの円に対する価値に左右されます。また、肉の値段は毎月ドルでは一定ですが、輸送費は原油価格の変動によりドルでも変動することがあります。
先月は1ドルは100円でした。先月は、仕入れ費の5割の利益を見込(こ)んで定価をつけて肉を完売しました。
今月は1ドルが90円になったので、原油高のため(ドルでの)輸送費が先月の2倍になったにもかかわらず、(円での)仕入れ費は先月の93.6%ですみました。このため、円高還(かん)元セールとして先月の定価の3%引きの値段を肉につけましたが、完売したところ、利益は先月より95万円多くなりました。
このとき、次の問いに答えなさい。
(1)先月の仕入れにおいて、肉の値段は輸送費の何倍でしたか。
(2)毎月支払っている肉の値段は何ドルですか。
(開成中学校09年第2問)
(1)
先月の肉の値段を○、先月の輸送費を△としましょう。
(○+△×2)×0.9=(○+△)×0.936
○×0.9+△×1.8=○×0.936+△×0.936
○×0.036=△×0.864
○=△×0.864÷0.036
○=△×24
答えは、24倍です。
(2)
先月の仕入れ費を1とすると、先月の定価は1.5です。
今月の定価は1.455ですね。
今月の仕入れ費は0.936になったので、今月の利益率は、
1.455-0.936=0.519
0.019が95万円なので、先月の仕入れ費は、
95万円÷0.019=5000万円
仕入れ費の1/25は輸送費なので、
5000万×24/25=4800万円
答えは、48万ドルです。
<割合2>
リンゴとナシを合わせて760個と、モモを何個か仕入れました。
売れた個数は、リンゴはリンゴの仕入れ個数の1/4、ナシはナシの仕入れ個数の1/24、モモは売れたナシの個数の5倍でした。
リンゴとナシとモモ全体では、リンゴとナシとモモ全体の仕入れ個数の19/103だけ売れたことになります。
次の問いに答えなさい。
(1)モモは何個仕入れましたか。(求め方)
(2)売れた個数は、リンゴよりもモモが多く、モモよりもリンゴとナシの合計の方が多かったです。リンゴとナシはそれぞれ何個仕入れましたか。(求め方)
(フェリス女学院中学校08年第4問)
(1)
整理してみましょう。
仕入れたリンゴ+仕入れたナシ=760
売れた個数=仕入れたリンゴ×1/4+仕入れたナシ×1/4
=仕入れたリンゴとナシとモモの個数×19/103
したがって、
売れた個数=190=仕入れたリンゴとナシとモモの個数×19/103
仕入れたリンゴとナシとモモの個数は1030個となるので、
1030-760=270
答えは、270個になります。
(2)
モモよりもリンゴとナシの合計の方が多く、売れた個数は190個なので、
モモは95個未満の5の倍数となります。
モモの個数の候補は、
90、85、80、75、・・・・・・
その場合、ナシは、
18、17、16、15、・・・・・・
その場合、リンゴは、
82、88、94、100、・・・・・・
リンゴよりもモモが多いので、モモは90個、ナシは18個、リンゴは82個売れたことが分かります。
82×4=328
18×24=432
答えは、リンゴ328個、ナシ432個です。
<割合3>
次の[ ]にあてはまる数を入れなさい。
クイズを3人で解いて懸賞(けんしょう)に応募(ぼ)することにしました。まず、Aさんが全体の1/3より6問多く解き、次に、Bさんは残りの3/4より10問少なく解きました。しかし、3人目のCさんは残りの問題の2/3しか解けなかったので、最後に残った8問はAさんが解いて応募しました。このクイズは全部で[ ]問あり、そのうち、Aさんは[ ]問解きました。
(女子学院中学校07年第4問)
全体を○とすると、
Aさん=○×1/3+6+8
Bさん=(○×2/3-6)×3/4-10
Cさん=16
○×1/3+14+○×1/2-14・1/2+16=○
15・1/2=○×1/6
○=93
93×1/3+6+8=45
答えは、全部で93問あり、Aさんが45問解いた。